平成15年12月27日
2004年はノモン八ン事変から65年・日本・モンゴル友好条約30年lこ当たる
  ノモンハン敵味方鎮魂地球平和祈願

すべては解決 実行されます


”ハルハ川”ある戦争の記録

         
 ウランバードル・ガンタン寺に於いて
入 江 孝 一 郎
  全国−の宮巡拝会世話人代表
  社団法人日本移動教室協会理事長
  日本流のペンクラフ会員

今ではノモンハン事変を知つている人は少ない。昭和14年(1939)5月から8月まで、日本とソ連の越境の戦闘はモンゴルは「ハルハ河戦争」と呼び、外蒙古の草原に死屍累々の悲劇は起きた。今年、平成16年(2004)は、その65年になり、また、モンコルと日本の友好条約を締結30周年を迎える。

壱岐島で「元冠の役敵味方鎮魂地球平和祈願」を平成15年(2003)9月16〜18日に、モンゴル国ガンタン寺・高野山蓮花院・壱岐一の宮天手長男神社で行った。その準備にモンゴルに行ったときガンタン寺管長に面会をしたとき、モンゴル人は元冠の役は知らないがノモソハン事変はよく知つていると言われた。諺に殴つたことの方は忘れるが、殴られたことは忘れないということである。

ハンバラマ管長猊下が壱岐に来たとき、モンゴル国営テレビが元冠の役の取材に同行し、モンゴル人に親しい管長猊下が、その戦跡で祈る姿を伝えることで元冠の役をモンゴル人に知らす企てが進行した。その時に「いのち」を失った魂は、歴史の記録にあるものの、花の−つも、一本の線香をあげられないまま、ほつておかれたのである。悔しさの余り、怨霊と化としているのでなかろうか、わが身に置き換えてみれば理解できるであろう。

 ノモンハン事変敵味方鎮魂地球平和祈願は、壱岐国の敵味方鎮魂の行動の中で課題となった実現するとまで考えがおよばなかった。その翌年が65に当たることを知り、目に見えない世界の導きを感じて不思議と恐ろしさを思わせられた。ノモンハン事変といっても、具体的に知っている人は少ない。当時少年であったが、ソ連との国境での争いで戦争にならない事変と記憶している。

 平成10年(1998)発行の半藤一利氏のFノモンハンの夏(文芸春秋)を読んで、それは事変というものでなく戦争であり、戦場で死んだ人びとの無念さ、悔しさを痛切に感じた。それは敵味方ともにいえることである。ノモンハンの地名は、チベット仏教の活仏の次ぎに位した僧の役職名であるという。今は集落の名になっているが、九州ぐらいの広さをもつている。日本が満州国成立していらい、ハルハ河が国境線とされ、付近は満州国領内に組入れられていた。そのことを認めない外蒙古側は、しばしば家畜を追ってハルハ河を越えていたのを越境として、小さな戦闘から始まつたのである。

 春から草原に草が覆い茂るようになると、家畜に水と草をもとめた人びとに少数の外蒙古軍が護衛ついてきた。外蒙古はソ連の保護国で、日本軍の侵攻の防波堤の役割をになわされていた。小競り合いの戦闘が5月11日前日からつづいて起き、エスカレートしたのである。半藤氏は、その著書の中で「何のために戦つたのかわからないノモソハン事変は、これら非人間的な悪の巨人たちの政治的な都合によつて拡大し、敵味方にわかれ多くの人びとが死に、あつさりと収束した」と、勇戦力闘して死んだ人びとが浮かばれないと思えてならなかつた、と訴えている。

昭和41年(1966)10月12日、靖国神社でノモソハソ事変戦没者の慰霊祭が行われたとき、戦没者1万8000人と報道された。ソ連軍も外蒙古軍の戦傷死者を加えると、2万4492人という惨たる数字が公開されている。双方で4万2500人もの人びとが、一望千里のホロンパイル、無人の広漠とした砂丘と草原の海のような広がりの中で命を落とし、傷つき、餓え、殺伐たる地獄を見たのである。敵も味方も、モンゴルの草原に魂は縛られたままにいる。戦つたソ連軍がモスクワに凱凱たとき、スターリンは日本軍の下士官兵の頑強さと勇気を賞賛している。時が過ぎればそれまで、砂漠に魂がただよつたまま時が過ぎていった。

ウランバートルの日本大使館に表敬訪問をしたとき、ノモソハン事変の慰霊遺骨収集の話を聞いた。現地の土を持帰りたくなるのは遺族として当然であるが、いつも検疫などでトラブルがおきるという。何か目に見えない世界、怨霊のはたらきかとフト思つた。返りみられることもなく、そのまま捨ておかれていたら、その身で考えたらどうであろうか。早く救つてもらいたいのと、怨みが重なり怨霊となつて妨害しているよぅにも思えた。それは味方ばかりでなく、敵の怨霊もその救いを求めて右往左往しているのである。残念ながら目の見えない世界からのメッセージは、現世にとどかないでいたが、21世紀になつてその空気が変つて きているようである。

 現に壱岐での元冠の役敵味方鎮魂地球平和祈願が、モンゴルのチベット仏教・高野山真言密教・壱岐国一の宮天手長男神社、さらには諸国一の宮にあわせて同時刻に一斉に鎮魂をしたという事実がぁる。しかも、津々浦の人びとの「念い」が実つて実現したのであることを注目したい。まさに神仏のお導きによるものとしか考えられない。地球平和祈願を標榜したが、オーストリアのウイルチコ・フローリアン氏から12月3日に大祓祝詞を上げるつもりなので、それを教えてほしいメールがきた。アメリカ椿大神社、アメリ力人のバリシユ・コウイチ氏の神流神社、カナダのアン・エパソズ女史の神明神社など
、外国人が日本の神様を祀っている。

2年目を迎えたニューヨークの世界貿易センターの9・11テロ追悼式典に、チベット第14世タライラマ法王、モンゴル、ガンタソ寺ハソバラマ管長も招かれた。一神教の世界から多神教への誘いは神仏の共生への現れであるとみられる。 モンゴル第一の寺院ガンタソ寺に於いて、ノモソ八ン事変・ハルハ河戦争敵味方鎮魂地球平和祈願を、モンゴルの人びととともに、すペての善意を集めて行うという気運が起つてきた。本尊観世音菩薩の26mの尊像前で、65年間ノモンハソにとどまる、すべての霊魂に、チベット仏教・高野山真言密教の修法をもつて鎮魂を実現、地球平和を祈願しようというのである。 多くの関係者・縁故者、広く多くの人びとに参列を呼びかけ、一本の花、一本の線香を捧げたい。

    ノモン八ン事変・ハルハ河戦争敵味方鎮魂地球平和祈願(案)
 日時:平成14年(2004)○用○日○曜日午前10時
  場所:モンゴル国ウランパートルガンタン寺
 導師:ハツバラマ管長猊下・高野山蓮花院東山泰清大阿闇梨